最近読んだ本 : 駆けこみ交番 - 乃南アサ

2007-12-04Category: Entertainment

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駆けこみ交番 - 乃南アサ駆けこみ交番 - 乃南アサ
乃南アサの小説の特徴は読みやすさ、そして読後感の悪さだと思う。読み終えたあとの、あのなんとも言えない説明したくても説明しづらいモヤモヤ。
よく彼女の小説には “見た目は至極普通で普通の生活をしている普通の人々は実は普通ではない” というニュアンスが含まれていて、それが余計に怖い。

「駆けこみ交番」の前半は、“とどろきセブン” という近所の老人7人から気に入られて様々な情報を得、新米警察官の主人公の周りで起きるちょっとした事件が大事件になって、偶然もいいところで大手柄を得る、というストーリー。
“普通だった人が普通じゃなくなっていった” 過程を事件から汲み取れ、ちょっとばかり薄ら寒い気分になるけれど、乃南節はそこまで効いていないので誰にでも読めると思う。

後半は “とどろきセブン” がどうやって結成されたのか、またどういった活動をしてきたのかが読める。前半で安心しきっていた私はここにきて乃南節が倍増し、一見か弱そうに見える老人たちがどれだけ心の闇を持っているか、歪んだ正義感に包まれているかを見せ付けられて動揺した。
一人じゃできない、でも複数なら大丈夫、間違った All for one, One for all の精神のようなものが垣間見え、やはりこれは乃南アサの作品なのだと唸ってしまう。

「サイコロ」での主人公・高木くんの最後の台詞は、何にも考えていないようで実は見透かしている感じがして「おっ」と思った。
高木くんはとどろきセブンがアレしてこうした、と解っているんだろうか? いや解っているからあの台詞が出たのだろうな。

前編である ボクの町 の存在を知らずに本屋で適当に買って読んだんだけど、これはぜひとも「ボクの町」も読まねば。
結論としては、乃南アサの短編集によくある「読後感の悪さ」は少ないので、乃南アサをすすめる際にこの本は最適じゃないかな。いきなり とかすすめるよりは断然いいと思う。

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